アプローチ②応用行動分析
応用行動分析は、行動学の原則を応用して望ましい行動を増加させ、望ましくない行動を減少させる科学的アプローチです。
親御さんから「子どもが何度言っても言うことをきいてくれない」というご相談、或いは職場において「●●さんが、●●の作業をしてくれない」「あいさつ、報告、連絡、相談をしない」というご相談があります。
「親の言うことはききましょうね」「職場ではあいさつをしたほうが良いですよ」と言うだけより、理由や根拠を説明したうえで納得がいけば、変容できるかもしれません。
カウンセリングの中でもただ単に話を聴くだけではなく、望ましくない行動の時期、時間、回数、きっかけ、前後の状況や場面などを伺います。可能な限り行動の記録を視覚化していただき、その行動の理由を考えたりして課題を分析していきます。
感情的に叱ったり、注意したり、個人の責任にすることは、個人の性格や能力を攻撃してしまうことにつながりかねません。
なぜそのような行動になるのかを丁寧に聴くと、本人だけの問題ではなかったり、過去の経験が行動に影響していたりすることはよくあり、皆さんにも心当たりがあると思います。
望む行動ができるためにはどうしたらよいか、それを続けるにはどのような工夫が必要か、一緒に考えながら進めていきます。
昨今は発達に課題がある方にあわせた療育機関もあり、この理論や知見をベースにした個別の指導計画が活用されています。発達支援だけではなく、教育分野、働きやすい職場環境分野、健康的な食習慣の改善、コミュニケーションスキル改善など、多くの場面に活用されています。
特に、食習慣の改善などは記録も取りやすい、可視化しやすい、効果が実感されやすいため、健康診断の結果と併せて有効に活用していただきたい手法です。